夜尿症
夜尿症
睡眠中に無意識に排尿してしまう症状で、5歳を過ぎて1カ月に1回以上の夜尿が3カ月以上続く場合を夜尿症と定義しています。
主な原因は、「夜間の尿量が多い」と「膀胱の容量が少ない」です。通常は寝ている間は抗利尿ホルモンというホルモンが作られ、尿の量を調整していますが、このホルモンの分泌が少ないと夜間に溜められる以上の尿が作られてしまいます。また成長に伴い、膀胱も大きくなります。しかし膀胱の発達が遅れると、寝ている間に作られる尿を溜めておくことができないことが原因となります。その他の原因には睡眠障害、ストレス、便秘があります。
治療としてはまず生活指導と行動療法が行われます。内服治療としては、抗利尿ホルモン薬、抗コリン薬、三環系抗うつ薬などが処方されることがあります。
日常生活では、利尿作用のあるカフェインを含んだ飲み物(コーヒー、お茶など)を避けたり、昼間は規則正しくトイレに行ったり、就寝までの2〜3時間は水分摂取を控えるようにします。就寝前にトイレに行く習慣をつけることも予防につながります。
子どもの場合、小学生になっても「おねしょ」が続く場合には、医師に相談してみましょう。身体的な問題のために起こる夜尿もありますので、小学生になっても「おねしょ」が続くと、本来友達と楽しく過ごすイベントであるはずの、お泊まり行事等を含めた学校生活に不安を抱えたまま参加することになりますので、早めに受診することをおすすめします。治療には水分制限などの行動療法、薬物療法やアラーム療法などがありますが、経過によっては、泌尿器科受診が必要になることもありますので、必要に応じて近隣の医療機関とも連携しつつ、適切に対応いたします。
生活指導や治療を積極的に行うことで、何もしない場合に比べると2~3倍も症状改善が早まるといわれています。そのため、夜尿症が疑われたときは放置せずに、できるだけ早く相談することが大切です。